意識高くないゆとり

平成初期型ゆとり世代の意識が高くないブログです。

ゆとり世代には「スカイ・クロラ」を見てほしい

映画というと世界に数多ありますが、一番個人的に好きな映画が、「スカイ・クロラ」です。

 

概要はこんな感じ。 

スカイ・クロラ The Sky Crawlers』のタイトルで、2008年8月2日アニメーション映画化。監督は押井守で、2004年の『イノセンス』以来4年ぶりのアニメ作品。アニメーション制作はProduction I.G戦争請負会社の日本人部隊で、戦闘機に乗って戦う若者の物語。

スカイ・クロラシリーズ - Wikipedia

 

森博嗣の小説シリーズを映像化したもので原作も好きなんですが、やはり映画でまずは見て欲しいと思います。

押井守監督は、「若い人のために作った」と語っていますが、そのような映画の中でこれほど嘘がない映画はありません(と感じます)。

2008年公開時に20歳前後というと、昭和最後から平成初期、つまりはゆとり世代がドンピシャです。

ゆとり世代と言いますと、幼少期をバブル崩壊だの平成不況だの、失われた20年だの言われた中育ったと思います。

「世界に一つだけの花」とか流行って、個性が大事なんやでと言われて育って、就職近くで震災が起き、不況となりという感じ。

働き出したらゆとりはこれだからと言われ。

個人的に、社会への不信感や希望のなさを感じるようになりました。

経済の話だとしても、人の育った時代を失われたとか言われた日には腹も立ちます。

 だからこそ、希望に溢れた物語に対してぼんやりと不信感を感じるわけです。

これからの未来には素晴らしい世界が待っている、努力は報われる、そんな言葉には辟易しているわけです。

そんな想いに共感するぜ、という人に最高にオススメです。

 

この映画でキーワードになるのが、「キルドレ」です。

キルドレ=成長しない子供のままの人間

そして、そのキルドレが戦争請負会社の社員として、ゲームとしての戦争の中で空で殺し合うという物語です。

平和を大切さを感じるため、終わらない戦争を民間企業が繰り返し続ける、という舞台です。

そして自分はこのキルドレの置かれた状況、彼らの持つ感覚に強く共感するのです。

主人公が感情を露わにするシーンは僅かで、生き生きとしているのは空の上だけです。

ほとんど日常において感情の大きな変化がなく、それが「大きな物語」を喪失した自分たちの日常に酷似していると感じるのです。

インターネットが普及して、私たちには無限の選択肢が出現しました。

趣味嗜好は細分化し、個人という存在が尊重されるようになりましたが、それは共有する物語がなくなるということでもあります。

何か大きなものに熱中することがなく、狭いコックピット=多様化した選択肢の中で充足を得る、その姿は自分の世代に近いものと感じます。

 

そして、生きる実感が希薄な点

生へのモチベーションは希望や、危機感に由来するものだと思います。

ゆとり世代では、明確なそれがないと感じます。

とりあえず生きていれば死なない。

とても傲慢な表現ですが、大病や大怪我をしない限り、とりあえず死なない社会です。

そしてそれ自体は素晴らしいことですが、特に若く肉体的な衰弱の実感がない場合、希望も危機感もなく、生へのモチベーションが希薄となり、生を実感することが難しくなります。

あるのは、ただぼんやりとした不安です。

その空気感が劇中には漂っております。

 

そのような空気感の中、物語のキャラクターはどのような選択をするのか、ということを考えて見ていただけると幸いです。

その選択が正解か不正解か、それ自体を見ながら考えていただけると、今の日常というものの見え方が変わってくるかと思います。

 

最後に、一番好きなセリフをご覧ください。

いつも通る道でも違う所を踏んで歩くことができる

いつも通る道だからって景色は同じじゃない

それだけではいけないのか

それだけのことだからいけないのか

いつも通る道だからって景色は同じじゃない

それだけじゃいけないのか

 世界に対する希望を示すわけでもなく、世界の素晴らしさを説くわけでもありません。

ただ、日常への思いを、視点を少し変えること。

それが、「今」を生きる我々に対してこの映画が示していることだと思います。

小説と映画で、物語の結末は異なります。

ぜひそれぞれをご覧ください。